被災地の路線価は秋に公表
・国税庁が7月1日に公表した平成23年分の路線価及び評価倍率を記載した路線価等によると、全国約36万地点の今年1月1日現在の標準宅地の平均路線価は3.1%のマイナス(3年連続の下落)となりました。しかし、再開発地域や大型ショッピングセンターなどの複合商業施設では上昇地点も現れるなど下落幅は前年分(4.4%下落)と比べると1.3ポイント縮小しており、下げ止まり感が出ています。
・また、都道府県庁所在都市の最高路線価でも、若者に人気のある「パルコ」の出店により福岡県の「福岡市中央区天神2丁目」が1.1%上昇した以外は軒並み減少していますが、31都道府県で前年分より下げ幅が縮小しました。路線価全国一は、1平方メートル当たりの価格が5.2%減少の2,200万円となったものの、昭和61年分から26年連続で「東京・銀座5丁目の鳩居堂前」で、新聞紙1枚当たりの土地の価格は約970万円、ハガキ1枚サイズでも約33万円となっています。
・いっぽうで、東日本大震災により震災特例法で指定地域とされている青森・岩手・宮城・福島・茨城・栃木・千葉の各県全域、新潟県十日町市・中魚沼郡津南町、長野県下水内郡栄村の土地等の評価額については、震災後の地価の下落を加味するため路線価等に「調整率」を乗じて計算することになっており、国税庁では、被災地の実情を精査した上で他省庁等と連携して算定作業を進め、10月~11月には調整率を公表する予定です。
・なお今回から、路線価の平均額を算出した上で、前年との変動率を算出していたものを国土交通省が公表している地価公示と同様に基準地点の前年との変動率を単純平均する方法を用いた方法を採っていることから、前年以前と単純比較ができないために基準地点の平均価格は公表されていません。