4分の1以上の個人事業主が「後継者不足」に悩み
・総務省が「個人企業経済調査(構造編)平成20年結果」を公開しました。この調査は、「製造業」「卸売業・小売業」「宿泊業・飲食サービス業」「サービス業<他に分類されないもの>」を営んでいる全国約4千の個人事業所に「構造調査票」を送り、事業主の年齢、後継者の有無、事業経営上の問題点などを年1回調べるものです。
・それによると、平成20年の1事業所当たりの年間営業利益は、「宿泊業・飲食サービス業」がやや上昇(前年比104.4%)したものの、製造業(同98.3%)、卸売業・小売業(同90.1%)、サービス業<他に分類されないもの>(同97.1%)はいずれも減少しました。
・さらに「事業経営上の問題」(複数回答可)では、「需要の停滞(売上げの停滞・減少)」の80.1%が最も回答が多く、次いで 「原材料価格・仕入れ価格の上昇」の45.1%、「 大手企業・同業者との競争の激化」の39.1%となっています。個人事業者にとって苦しい経営状況が続いているようです。
・ところで、このところ社会的問題となっているのが企業の「後継者不足」です。上述の「事業経営上の問題」(複数回答可)でも、製造業の27.2%、卸売業・小売業の29.5%、宿泊業・飲食サービス業の21.0%、サービス業<他に分類されないもの>の25.0%が「後継者不足」と答えており、4分の1以上の個人事業者が後継者不足に悩んでいることになります。
・また、「事業主の年齢」が60歳以上の事業所の割合も、製造業が69.0%、卸売業・小売業が67.3%、宿泊業・飲食サービス業の59.0%、サービス業<他に分類されないもの>が56.2%と、依然として高い水準となっています。
・そのためか、「今後の事業展開」において、すべての業種で消極的な事業所割合が積極的な事業所割合を上回っているなどの傾向が見られるようです。