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申告しないと損をする個人住民税


・地方への税源移譲によって平成19年から住民税の税率が一律10%になり、多くの人の住民税が増税になりました。ただし、所得税がその分減税になっているので、全体としての税負担には変化はありません。
・しかし、この制度変更には歪みがあります。歪みで損をする人もいます。そのために二つの手当てがなされています。ただし、その手当ては申告が要件です。

●住宅ローン控除の場合

・所得税の減税によって、従前なら控除できたはずの税額が引ききれなくなる場合が起こります。つまり、控除されるべき既得権が奪われたということです。
・これについては既得権喪失額を住民税側で控除することになりました。既得権喪失額とは、減税前の税率なら控除できたはずの額との差額です。この計算はちょっと複雑ですが、市町村で用意する申告書に、源泉徴収票などを見ながら記入すれば算出できるようになっています。 この申告は、平成20年以降の2~3月の時期に毎年市町村に行わなければなりません。
・対象になるのは、平成11年から平成18年の間に住宅ローン控除の適用申告をしている人で、今回の住宅ローン控除が全額引ききれていないのに、控除後の所得税がゼロになった人です。

●所得が激減した人の場合

・住民税は所得税より1年遅れて課税されるため、平成18年分の所得に対する所得税は旧所得税率で課税され、住民税は新住民税率で課税されています。そのため、平成18年分の所得に対する税額としてみると多くのケースで増税になっています。
・年度間での所得にあまり変化がない人の場合はいいのですが、年度間の所得に変動が生じている人の場合には、増税感を持つことになりそうです。
・それで、平成18年末や19年初めに退職や廃業したことにより、平成19年分所得が基礎控除以下の人については、18年所得に係る19年住民税は旧税率で計算し直す、という手当てがされています。
・ただしこれも、平成20年7月中に申告しなければ適用されません。