平成23年度税制改正大綱
・政府は16日、平成23年度税制改正大綱を決定しました。
・焦点の法人税減税は、国税の基本税率30%を25.5%に引き下げ、中小法人の年800万円以下の部分に係る軽減税率22%(特例18%)は19%(特例15%)に引き下げます。特例は23年4月から26年3月までの3年間の措置。一方、減価償却制度を見直し、定率法の償却率を定額法の2.5倍から2倍に縮小しています。
・また、中小法人を除き欠損金の繰越控除限度額を80%に制限します。これに伴い繰越期間は9年(現行7年)に延長。新設の雇用促進税制は、従業員のうち雇用保険一般被保険者数が前年度に比べ10%以上かつ5人(中小企業は2人)以上増加した場合に増加1人当たり20万円を税額控除します。
・給与所得控除を見直し、給与収入1500万円を超えた場合の給与所得控除額に245万円の上限を設けました。役員の場合はさらに給与収入2000万円超から徐々に245万円の控除額を減らし、給与収入4000万円を超えると125万円とします。勤務年数5年以下の役員の退職手当の課税も強化し、退職所得控除額控除後の残額を2分の1とする措置を廃止しています。
・上場株式等の配当・譲渡所得等に係る10%軽減税率は適用期限を2年延長します。これに伴い、少額上場株に係る配当・譲渡所得等の非課税措置の開始を2年遅らせ26年1月からの適用とします。23歳以上70歳未満の者に対する成年扶養控除の対象を、給与収入568万円以下の納税者を除き、65歳以上70歳未満や心身障害者等に限定します。
・相続税の基礎控除を「3000万円+600万円×法定相続人数」に縮小します。また、最高税率を50%から55%に引き上げます。相続税とともに贈与税の税率構造も見直しが行われています。
・消費税の事業者免税点制度適用の判定時期を見直し、前年(前事業年度)の前半6ヵ月の課税売上高が1千万円超の事業者は適用外とします。
・このほか、地球温暖化対策税の創設や、納税者権利憲章の策定などを含めた納税環境整備など多くの税目にわたり大きな改正が盛り込まれた内容となっています。