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定額給付金の差し押さえ


・総務省が、市町村民税の滞納者に支給する定額給付金について、「給付主体である市町村が差押さえることは、その趣旨(家計への緊急支援)に合致しない」などとする「定額給付金事業Q&A(その2)」を地方自治体に配付しています。定額給付金は税金の滞納者へも給付されるため、それを差押さえられるのどうか、扱いが注目されていました。

・それというのも、これについて国税庁は「差押禁止財産にも該当せず、禁止する規定もない。理論上では差押えられる」としていたからです。今回の総務省のQ&Aはこれに待ったをかけたことになります。

・総務省では「Q&Aに強制力はない。最終的には自治体の判断になるが、この社会情勢で給付金を差押えれば、自治体に対する住民の感情は悪くなる」としているようですが、徴収率を上げようと躍起になっていた地方自治体がトーンダウンするのは必至です。ただ、滞納者の財産を総合的に勘案したうえで行う滞納整理であれば「結果的に給付金が振り込まれた後の預金口座が差押さえられるということはあり得る」という声も一部であるようです。

・これに対して国税当局は「定額給付金を狙い撃ちするのではなく、従来通りの滞納整理のなかで取り扱う。個々の納税者の事情を把握して滞納整理を進めていく」と、淡々とした姿勢を示しています。