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政府税調が平成21年度税制改正について


・政府税制調査会(政府税調)が「平成21年度の税制改正に関する答申」を公開しました。同答申では、相続税の課税方式を遺産取得課税方式に改めることや、国際課税(外国子会社合算税制や移転時価格税制等)、固定資産税の見直しなどが提言されています。

・政府税調の答申は、どちらかというと中期的な視点での税制を論じるものです。したがって、例年であれば、法人税や所得税、消費税といったいわゆる基幹税に対する意見が多く盛り込まれるのが通常です。しかし、今回の答申では基幹税について、政府が年末までに策定予定の「中期プログラム」に注文を付ける形となっており、平成21年度税制改正に対する具体的な意見には盛りまれませんでした。

・そこで、今回の答申で平成21年度税制改正に対して具体的に提示されたのは「相続税」「国際課税」「固定資産税」の3つです。

相続税については、遺産総額をもとに課税額を決める現行の課税方式では「財産取得者の水平的公平性が損なわれる」ことから、遺産取得課税方式に改めることを検討すべきとしました。遺産取得課税方式であれば、相続人それぞれが受け取った遺産額に応じて課税額が決まることになります。

・また、国際課税については、現行の間接外国税額控除制度(海外子会社からの配当に対応する外国法人税額を税額控除できる制度)に代えて、外国子会社からの配当について親会社の益金不算入とする制度を導入するよう提言しています。この制度を導入することによって、国内に還流する利益が設備投資や研究開発、雇用など幅広く多様な分野でわが国経済の活力向上のため用いられることを期待したものです。

固定資産税については、平成21年度に対象資産の評価替えが実施される事から、地域ごとの負担水準の均衡化、適正化を一層図る必要があるとしています。