相続税対策
●相続税支払額の減少策や納税資金確保対策としては、次のような方法が考えられます。
① 生前贈与等による相続財産減少策
② 税の特例等を活用した相続税減少策
③ 相続税の納税手段確保のための対策
●土地中心の相続財産である場合、地価下落時には、納税資金の調達方法の事前検討が特に重要です。
●物納申請を検討する場合には、事前に、残すべき財産と物納に充てるべき財産との仕分けを行っておくだけでなく、物納可能かどうかの検討を行っておくことが大切です。
① 生前贈与等による相続財産減少策
・相続財産を事前に少しでも減少させて、相続税額の節税を図るには、次のような生前贈与の活用が考えられます。
■現金や不動産を生前に贈与しておく
⇒推定相続税と贈与税の負担率を比較し、毎年、計画的に贈与を行うこと
■相続時精算課税制度の選択を検討する
⇒従来制度との損得をシュミレーションすること
■贈与税の住宅取得資金贈与の特例を利用する
■贈与税の配偶者控除を利用する
■金銭以外の低評価資産を贈与する
■生命保険・生命共済を利用する
② 税の特例等を活用した相続税減少策
・税の特例等を活用して相続税を減少させるには、次のような対策が考えられます。
■相続税の計算の仕組みを利用する
⇒小規模宅地評価減、債務、配偶者税額軽減などの制度の最大限活用
■賃貸物件の建築で、土地の評価額を引き下げる
■農業相続により納税猶予の適用を受ける
③ 相続税の納税手段確保のための対策
・相続税の納税は金銭納付が原則なので、不動産中心の相続の場合は納税資金を確保することが重要です。
・相続税の納税手段確保対策としては、次のような対策が考えられます。
■生前に生命保険・生命共済に加入する
■延納制度を利用する
■物納制度を利用する
■資産の売却・交換を行う
■農地については、納税猶予制度を利用する
check point
⇒相続税対策は、相続人の受け取る財産をできるだけ多く(被相続人の相続時点での財産をできるだけ少なく)し、かつ、相続税額の計算では、その負担額を極力低く抑えるという、矛盾した相続人の要望を満たさなければなりません。しかし、経済的合理性のない対策は租税回避行為として否認されますので、充分留意することが必要です。
check point
⇒相続税対策は、相続人の受け取る財産をできるだけ多く(被相続人の相続時点での財産をできるだけ少なく)し、かつ、相続税額の計算では、その負担額を極力低く抑えるという、矛盾した相続人の要望を満たさなければなりません。
しかし、経済的合理性のない対策は租税回避行為として否認されますので、充分留意することが必要です。