Login

還付金詐欺にご注意

・高まる年金不安などを背景に、その年金をネタにした犯罪「還付金詐欺」が横行しています。税金や年金の還付話を高齢者に持ちかけて、ATM(現金自動預け払い機)を操作させて、言葉巧みに金を振り込ませてしまう詐欺手法で、被害総額はこの1年半で約20億円にも達しているそうです。

・還付金詐欺の加害者は、税務署や社会保険事務所などの職員を装って、被害者にハガキや電話で「税金や年金の還付がある」とのニセ情報を知らせます。この情報を信じた被害者は、加害者に電話で連絡を取ります。そして連絡を受けた加害者は「還付金を支払うので、ATMで口座の残高を確認してほしい」と被害者に伝えます。

・加害者が巧妙な誘導を行なうのはここからで、まずATMで残高が増えていないことを確認した被害者は、携帯電話で加害者に連絡を取ります。すると加害者は「ATMでエラーが発生したようだ」「いったん、こちらの口座に振り込みを行ってもらえれば、還付金を上乗せした金額を再度振り込む」「そこで次のようにATMを操作してほしい」などと誘導します。その結果、被害者は加害者の口座に金を振り込んでしまうのです。

・この手法を警察庁では、新手の「振り込め詐欺」と考えています。そしてこの還付金詐欺の標的にされるのは主に高齢の女性で、オレオレ詐欺の被害傾向に似ています。

・マネーロンダリング防止のため、今年1月からATMで10万円超の現金振込ができなくなりました。「被害者自身がATMを操作する」という詐欺手法はこうした背景から発達したのかもしれません。

・警察や銀行などの関連機関も、ようやく還付金詐欺への対応に乗り出しています。銀行や税務署、地方自治体、社会保険事務所などは、ビラやWebページなどを通じて「ATM経由での還付金手続きはない」と告知していますので、皆さんもご注意下さい。