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「歳入庁」構想


・税と社会保険料を一体的に徴収する「歳入庁」構想がにわかに注目を集めはじめています。

・岡田副総理が政府内に検討チームを設置し、4月中に中間報告を公表する方針を示し、民主党内でも専門の作業部会がスタートしました。橋下大阪市長率いる「大阪維新の会」も政策集「維新八策」に歳入庁構想を盛り込む方針で、与野党を超えた動きが広がっています。

・民主党は2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)で、社会保険庁を解体して国税庁と統合する「歳入庁」創設を明記。昨年の「社会保障と税の一体改革」議論でも民主党内の一部が「公約実現」を強く求め、素案段階に「ただちに本格的な作業に着手する」と明記させた経緯があります。

・政府・民主党内の検討着手はこの素案を踏まえた動きですが、どこまで本気なのでしょうか。岡田副総理は「歳入庁を設けるかどうかも検討課題だ」と弱腰で、古川国家戦略相も「給付付き税額控除や総合合算制度などの仕組みは歳入庁がなくても機能する」と、歳入庁がなくても一体改革に支障はないと予防線を張り始めています。

・歳入庁の創設に向けたハードルが高く「どうせ実現できない」との見方が大勢を占めていることから、政府の身が入らないともされています。

・社会保険庁の徴収部門は日本年金機構として既に分離済みで、歳入庁を政府部内に置くには機構職員を公務員に戻す必要があります。また、統合対象とされる国税庁内には「徴収力で劣る年金機構の職員に、国税と同水準の業務を任せられるのか」という機構不信も根強いようです。

・無理に統合を強行すれば、政府の根幹を成す徴収部門が大混乱する恐れもあります。

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太陽光発電と確定申告


◆太陽光発電と余剰電力買取制度
 2009年の余剰電力買取制度の開始から、2010年度には前年比52.4%増の21.8万件と大きく拡大した太陽光発電。昨年は東日本大震災をきっかけに導入を考えた方も多いのではないでしょうか。
 余剰電力買取制度は、太陽光発電により生産された電気が自宅等で使う電気の量を上回った場合、その上回る分の電力(=余剰電力)を10年間、電力会社に売ることができる制度です。電力会社に対して電気を売り渡すことを売電と言い、余剰電力の売電収入は所得計算上の収入金額になります。

◆売電収入と所得の分類
 売電により得られた収入は所得計算の際、どのような所得に分類されるでしょうか。
 たとえば、給与所得者が自宅に太陽光発電設備を設置した場合はどうでしょう。一ヶ所の会社に勤め、給与所得以外の所得がないごく一般的なサラリーマンが太陽光発電設備を自宅に設置し、家事用資産として使用しその余剰電力を売却しているような場合であれば、雑所得に該当します。
 この場合、給与の総額が2000万円以下で毎月給料やボーナスから所得税が源泉徴収され年末調整を行っていれば確定申告は不要ですが、売電による雑所得が20万円を超えた場合には確定申告の必要があります。しかし、一般家庭の平均的な1日あたりの余剰電力は約7kWhといわれており、経済産業省が発表した平成23年度の電気買取価格は住宅用で42円/kWhとなっていますので、売電による平均収入は単純計算で年間107,310円です。しかし、この収入額がそのまま雑所得の金額になるのではなく、ここから減価償却費や修繕費などの必要経費を引くため、売電のみで雑所得が20万円を超えることは極めて稀だといえます。
 売電により得られた所得は、すべて雑所得に分類されるわけではありません。同じように自宅へ太陽光発電設備を設置した場合であっても、自営業者で自宅兼店舗として利用している方や、不動産賃貸業を営む方が賃貸アパートに設置した場合など、その人の所得条件によっては事業所得不動産所得に分類されるケースもあります。