・平成23年度税制改正法となる
「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」
及び
「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための地方税法等の一部を改正する法律案」
が6月22日の参議院本会議で上程され、賛成多数で可決・成立しました。
・このうち、国税の改正法である
「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」は、
6月10日に衆議院本会議で修正承諾された「所得税等を一部改正する法律案」から、
雇用促進税制及び環境関連投資促進税制の創設、寄附税制の拡充、金融・証券税制の改正及び6月末で適用期限を迎える中小企業者等の法人税率の特例や住宅用家屋の所有権の保存登記に係わる登録免許税の税率の軽減といった税負担の軽減措置の延長等を分離して法案化されたものです。
・施行は、別段の定めがあるものを除き公布日からとされています。
・なお、修正して存置されている税制抜本改革の一環である法人税減税、給与所得控除の見直し、相続税の増税や地球温暖化対策税、納税者権利憲章や更正の請求期間の延長などの納税環境整備等を含み法案名を変更した
「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」については、
引き続き審議されることになっていますが、状況は全くみえていません。
・予定納税とは前年分の所得税の確定申告に基づいて計算した予定納税基準額が15万円以上である場合に、原則としてその3分の1相当額ずつを7月(第1期分)と11月(第2期分)に納税する制度です。
・該当する方には、6月15日までに税務署から「予定納税額の通知書」が送られていますので、納付税額や計算の詳細をご確認ください。
・廃業や業績不振などの理由により、6月30日現在の状況で、平成23年分の「申告納税見積額(年間所得や所得控除などを見積もって計算した税額)」が、予定納税額の計算の基礎となった金額に満たないと見込まれる場合には、予定納税額の減額申請をすることができます。 ・減額申請手続きにおける申告納税見積額の計算は、その年の税制改正があった場合には、改正後の税法をベースにして計算しますので、ご注意ください。
・そして、第1期分の減額申請については、その年の7月1日から7月15日までに「予定納税額の減額申請書」を税務署に提出する必要があります。税務署では、申請について、承認、一部承認または却下のいずれかを決定し、その結果を書面で通知することになっています。
・なお、振替納税利用の場合は、納期限(8月1日)に納税者指定の金融機関の口座から自動的に納付されます。 ・振替納税を利用していても、予定納税の納期限は一般と同じです。確定申告分の振替のように、後日の振替ではありません。 ・振替日に予定納税額相当分の残高がないと引き落としができませんので、納期限前日までにご確認ください。
・なお、岩手・宮城・福島県に納税地がある納税者は、東日本大震災に伴い、予定納税も含め申告・納付等の期限が延長されていますので、第1期分の納期限までに予定納税をする必要はありません。 ・しかし、青森・茨城県の納税者は、すべての国税の申告・納付等の期限が平成23年7月29日とされたことから、第1期分の納期限は延長されず、第1期分の納期限(8月1日)までに納付する必要がありますのでご注意ください。
・2010年4月以後開始する課税期間から、 「課税事業者が強制される期間中に、100万円以上の調整対象固定資産の課税仕入れを行い、本則で申告した場合には、課税仕入れを行った課税期間から3年間は課税方式を変更することはできません。」
・この改正は、そもそも消費税の不適切な高額還付を防止する目的で行われましたが、調整対象固定資産の課税仕入れには、個人事業者が法人成りをしたことによって 100万円以上の資産を個人事業者から法人へと引継いだ場合も該当し、影響が及ぶことが明らかになりました。
・これは平成22年度税制改正で既に変更されている内容ですが、法人成りを検討されている方はご注意ください。
※法人成り 個人事業者が株式会社などの法人に成り代わること。 個人事業者には所得税が課せられるのに対し、法人には法人税が課せられる。 消費税は2年前の課税売上金額に応じて課せられるが、新設法人はそれがないため消費税は免除される。 ただし、資本金1,000万円以上の法人の場合は特例で課税される。