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被災地域の申告等期限を延長、所得税22年分から減免


・3月11日、国内観測史上最大の東北地方太平洋沖地震が発生し、大きな被害が広がっていますが、国税庁は12日、今回の地震が所得税・贈与税の申告・納付期限(3月15日)が差し迫ったなかで発生したことにかんがみ、当面の対応として、
「青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県の納税者に対して、国税に関する申告・納付等の期限を延長する」ことを発表しました。
対象地域については、今後被災の状況を踏まえ見直していきます。

・5県の納税者については、地震が起きた3月11日以後に到来する申告等の期限が、すべての税目について、自動的に延長されます。他の地域の納税者についても、交通途絶などで申告等が困難な場合は、所轄税務署長に申し出れば、申告等の期限延長が認められます。申告等の期限をいつまで延長するかについては、今後、被害の状況に十分配慮して検討していく方針です。

・いっぽう財務省も12日、
「今回の地震での被災者の税負担を軽減するため、住宅家財等の損失に係る雑損控除及び災害減免法による減免を、平成22年分所得で適用できるようにする」と発表しました。
また、事業用資産の損失についても、22年分の事業所得の計算上、必要経費に算入することができるようにします。

・災害により、住宅や家財などに損害を受けたときは、
  1)確定申告で所得税法に定める雑損控除
  2)災害減免法に定める税金の軽減免除
のどちらか有利な方法を選んで、所得税を軽減できます。現行法では、その適用は損失が起きた年(23年)が対象で、減税や還付は来年以降となります。しかし財務省は、早期に税の軽減を受けられるように、22年分の確定申告でも認めることを決めました。22年分か23年分かは被災者が選択できます。

・なお、災害により被害を受けた事業者が、その被害を受けたことにより、災害等の生じた日の属する課税期間等について、簡易課税制度の適用を受けることが必要となった場合、または適用を受けることの必要がなくなった場合には、所轄税務署長に申請し、その承認を受けることにより、災害等の生じた日の課税期間から簡易課税制度の適用を受けること、または適用をやめることができます。

・これは、災害によって事務処理能力が低下したため、一般課税から簡易課税への変更が必要になった場合や、棚卸資産その他業務用の資産に相当な損害を受け、緊急な設備投資を行うため、簡易課税から一般課税への変更が必要になった場合などに適用されます。

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振替納税について


・確定申告は税金を納めて完了することはいうまでもありません。
所得税の納期限は申告期限と同じ3月15日消費税の納期限は3月31日となっています。
税務署から納付書の送付や納税通知書などのお知らせはありませんので、納期限までに銀行や郵便局、所轄税務署で納付しなければなりません。
この納期限を過ぎると延滞税がかかりますので、くれぐれもご注意ください。
また、振替納税を利用している方は、あらかじめ指定口座の残高を確認しておいて下さい。

・今年の振替日は、所得税が4月22日(金)、消費税及び地方消費税が4月27日(水)です。
・残高が1円でも足りないと振替ができず、納期限の翌日から完納の日までの間の延滞税と本税をあわせて納付することになります。

延滞税は、3月16日から5月15日までの2ヶ月間は年4.3%、それ以降は年14.6%の割合でかかりますので、ご注意下さい。

・ところで、振替納税制度は、いったんこれを選択すれば、次年度以降も特段の手続きをせずに継続して利用できることはよく知られていますが、「振替納税は税目ごとに選択する」ことを知らない納税者が多いようです。
つまり、所得税の振替納税を利用していても、消費税等については別途、手続きをしないと振替納税ができません。
たとえば、消費税の新規課税事業者となった納税者が消費税の振替納税を希望する場合には、3月31日までに口座振替依頼書を提出する必要があります。

・勘違いで余計な税金を納めることないように注意したいものです。

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生命保険金の非課税枠縮小


生命保険金の非課税限度額の計算をめぐって、「生計を一にしていた者」の範囲に関心が寄せられています。

・生命保険金の非課税限度額とは、死亡保険金を相続した場合に相続税の計算上控除できる「500万円×法定相続人数」という非課税枠のこと。死亡保険金は本来、その受取人固有の財産ですが、税法上は「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。

・平成23年度税制改正では、この非課税限度額計算における法定相続人の範囲が「障害者」「未成年者」「相続発生直前に被相続人と生計を一にしていた者」に限定されることになりました。たとえば、夫婦と子ども2人の4人家族で、夫の死亡によって妻が1500万円の死亡保険金を受け取った場合、これまでの制度では保険金の非課税枠は1500万円(=500万円×法定相続人3人)となるため相続税はかかりませんでした。

・しかし、子ども2人が独立していて上記の要件に当てはまらない場合は、今回の改正で保険金の非課税枠は500万円(=500万円×法定相続人1人)となり、これを超える1000万円が課税対象となります。そこで、上記3要件のうち「生計を一にしていた者」の範囲に強い関心が寄せられているわけです。

・一般的には一つ屋根の下で生活をともにしているかどうかが判断基準となりますが、必ずしも扶養を伴うものではなく、必ずしも同居していなければならないというものでもありません。一般的には「実際の住居の状態や生活費の負担状況、生活スタイルなどを総合的に見て個別に判断する」(税務署)とのこと。相続発生直前にあわてて同居するケースも増えそうですが、不動産登記や光熱費等の負担状況、居住空間の共有度も含め、「実態」の立証要素の整備には細心の注意が必要です。

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上場株式等の譲渡と申告


◆源泉徴収あり、なしの「特定口座」
 特定口座については「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」の2種類があり、いずれも証券会社が上場株式等の取得日や取得価額の管理、譲渡損益の計算をしてくれます。特定口座は源泉徴収選択の有無に関係なく、一つの証券会社について一つの口座しか開設できませんが、複数の証券会社で複数の口座を開設することは可能です。
 源泉徴収選択特定口座については、証券会社が譲渡所得や配当所得に係る税金を源泉徴収するので、確定申告を行う必要はありません。源泉徴収なしの特定口座の場合は、証券会社から翌年1月末に送られてくる特定口座年間取引報告書を使って申告・納税手続きを行うことになります。

◆「一般口座」の場合
 特定口座以外の口座を一般口座といいます。一般口座では、証券会社は上場株式等の取得日や取得価額の管理、譲渡損益の計算などをしてくれませんので、取引ごとに送られてくる取引報告書を整理し、自分で年間取引報告書を作り確定申告をすることになります。
 なお、一般口座の場合には、受渡日が平成23年であっても、約定日が平成22年中である場合には、確定申告をすることにより「約定日基準」を適用できます。

◆損失の繰越には特定・一般の区別なし
 源泉徴収選択口座において赤字が出ていても、上場株式等の譲渡損失の3年繰越しの適用には確定申告書の提出が要件となっています。
 なお、複数の源泉徴収選択口座が有る場合には、それぞれの口座について、確定申告を行うか否かを選択することができます。

◆損失の繰越の申告の留意点
 源泉徴収選択口座で損失の生じた年分について、その損失を除外して確定申告を行っていた場合は、源泉徴収選択口座について、申告をしない選択をしたことになるため、あとから損失繰越の手続きをすることができません。
 ただし、専業主婦やサラリーマンのように、確定申告をしていなかった場合は、期限後申告書を5年以内に提出することによって、上場株式等に係る譲渡損失の3年繰越しの特例を受けることができます。

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損益通算の活用


・自分の所得が黒字なのか赤字なのか、はっきりさせなくてはならない確定申告のシーズンがやってきました。しかし、ひと口に「所得」といっても、その種類は全部で11種類。人によっては、「この所得は赤字だけどあの所得は黒字だ」ということもあります。

・たとえば、年の途中でサラリーマンを辞め独立、個人事業主となったという場合。独立したものの経営は厳しく、事業所得が赤字になったとすると、その年は黒字の給与所得と赤字の事業所得があることになります。このように、ひとつの所得が赤字のときは、ほかの黒字と相殺できる「損益通算」を活用しましょう。赤字を大きく圧縮することができます。

・赤字が出たときに損益通算できるのは、①不動産所得②事業所得③総合課税の譲渡所得④山林所得――の4種類で、一定の順序で損益通算が可能です。一方、黒字だからといって土地・建物・株式などの譲渡所得からは、赤字の所得を引くことはできません。

・不動産所得は、赤字を計算する上で、別荘など生活に通常必要でない資産の貸付けによる損失や、土地の取得に要した負債の利子額、一定の組合契約に基づいて営まれる事業から生じたものでその組合の特定組合員に係るものについては、損失が「なかったもの」と見なされるので差し引くことはできないので要注意です。

・もし損益通算した後の各所得の合計が赤字だった場合、翌年以後3年間、赤字を繰り越して所得から差し引くことができますが、これには損失用の確定申告書を期限内に提出し、損失が生じた年から毎年継続して確定申告する必要があります。繰越し・繰戻しができる損失には、損益通算後の所得合計が赤字だった場合(純損失)のほか、雑損控除が原因でその年の所得が赤字だった場合(雑損失)があります。