Archives

You are currently viewing archive for July 2010
Category: General
Posted by: admin

年金払い生保への二重課税


・7月6日、生命保険金を遺族が年金として分割で受け取る場合に、相続税と所得税の両方が課されることが所得税法で禁じられた二重課税に当たるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は二重課税に当たり、違法との判断を示しました。

・これにより、「課税は適法」とした二審・福岡高裁判決を破棄し、所得税の課税処分を取り消し、原告側勝訴とした一審・長崎地裁判決が確定しました。

・国側の訴訟資料によりますと、国側はこうした二重課税を、42年間にわたり続けており、徴収済みの所得税の返還請求や税務実務の見直しなど、大きな影響が出るとみられています。

年金払い生活保障特約付き終身保険
 保険をかけられた人が死亡した時に支払われる保険金を、遺族などの受取人が一時金と年金に分けて受け取れる生命保険。
 年金部分は、10年など一定期間、毎年決まった額を受け取れる仕組みで、残された家族が一度に多額の保険金を受け取って管理するよりも、定期的な収入として受け取ったほうが生活設計しやすいとのニーズから人気が高まっている。

Category: General
Posted by: admin

退職金の加算に注意


・従業員の「早期退職」を勧奨する企業が増えています。早期退職は財務体質の抜本的な改善を目的として行われるもので、退職者には退職金とは別に上乗せ部分の「特別加算金」が支払われるケースが少なくありません。昨年から今年にかけて、ソニーUSENヤマハ発動機、西松建設、近鉄百貨店など、多くの有名企業が早期退職に伴う特別加算金の支給を実施しています。中でも、近鉄百貨店では、退職者700人にも上る早期退職制度を実施し、1人につき最大で月給27カ月分の特別加算金を支給しました。

・高額な加算金となる場合は退職者にとって「辞め得」となる感がしないでもありませんが、特別加算金はもちろん課税の対象となります。気になるのは、その所得区分や支払った企業側の税務処理です。
・退職者が支払いを受けた特別加算金について東京国税局は、「退職金の割増し部分に当たるため、退職所得として考えて差し支えない」としています。退職所得であれば、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出している場合は一定の計算式で算出した所得税額が源泉徴収されますが、そうでない場合には退職金額の20%が一律に源泉徴収され、確定申告により精算することになります。

・また、特別加算金を支払った法人側の税務処理も気になるところですが、これについては「社会通念上、特別加算金として適正な金額で、かつ、会社の規定に沿って算定された金額であれば損金処理できる」(同)としています。
・特に、特別加算金の額が「社内規定に沿って計算されているか」という点については税務調査でも確認されるので、社長の思いつきで規定もなく支払ったものは、調査で否認されると考えた方が良さそうです。

・特別加算金の支払いを実施する場合には、その下準備として、「早期退職制度に関する規定」「退職金支給規定」の中に、「特別加算金に関する規定」を設けておく必要があることを覚えておきましょう。

Category: General
Posted by: admin

在庫の社内販売


・社内で売れ残った商品を、社員に対して値引き販売するのはよくあることです。不良在庫として倉庫に眠らせておくよりも、値引きしてでも販売した方が経営的に健全であることは言うまでもありません。また、社員にとってみても、商品を安く入手できるのですから、得することこそあれども損することはないといえます。
・ただし、不良在庫だからといってむやみやたらに安い値段で販売すると、社員に対する「現物給与」とみなされ、給与として源泉所得税の課税対象となってしまうので気を付けたいところです。

・社員販売を行う場合、社員に対する商品の販売価格が「会社で取得した価額」以上であると同時に、実際の販売価格の70%以上であれば、給与課税されることはありません。またその際、商品の値引率が全社員一律である、または、役職、勤務年数などに応じて合理的に算定されたものでなければなりません。
・ただし、販売価格については、必ずしも「実際の販売価格の70%以上」でなければならないというわけではありません。たとえば、衣料品のような流行り廃りのある商品であれば、いちど流行遅れになってしまうと通常価格で販売することは難しくなります。このような場合、在庫商品の評価損を計上することになりますが、それにより商品の原価、販売価格も低下することになります。しかし、それにより商品の原価、販売価額も低下するので、実際には70%を下回っていても現物給与とされないケースも出てくるわけです。

・ところで、販売価格が安いからといって、自社商品を大量に購入する社員が出てきた場合は要注意です。一般に家庭で消費される量を著しく超える値引き販売が行われた場合には、仮に価格や値引率が適正でも現物給与と見なされることがあります。

Category: General
Posted by: admin

22年分路線価は8.0%マイナス


・国税庁は7月1日、相続税や贈与税の土地等の課税評価の基準となる平成22年分路線価を公表しました。これによると、今年1月1日時点の全国約38万地点における標準宅地の平均額は 8.0%下落(昨年は5.5%下落)し、1㎡あたり12万6千円となっています。

・圏域別にみると、東京圏は9.7%下落(昨年は6.5%下落)、大阪圏が8.3%下落(同3.4%下落)、名古屋圏が7.6%下落(同6.3%下落)と、東京・大阪・名古屋の三大都市圏はいずれも下落率が拡大し、2年連続の下落となりました。いっぽう地方圏も、5.9%下落(同3.8%)して、同じく2年連続の下落となり、20年のリーマン・ショックを契機とした土地需要の冷え込みが全国に及んでいることが明らかになっています。

都道府県別の平均路線価をみると、昨年に引き続きすべての都道府県で下落。下落率がもっとも大きかったのは「東京」の11.3%、次いで「大阪」と「福岡」がともに9.4%、「愛知」が7.5%で続いています。反対に下落率が小さかったのは、「沖縄」の1.6%、「滋賀」と「岐阜」が2.2%などとなっています。

・また、都道府県庁所在都市の最高路線価も下落傾向を示し、2年連続で上昇した都市はなく、下落した都市が45都市(昨年は39都市)、横ばいの都市は昨年の8都市から今年は津、山口の2都市のみとなりました。下落率が10%以上の都市は昨年の3都市から11都市に増え、特に「東京」(25.6%下落)、「名古屋」(20.2%下落)の2都市は20%を超える下落率となりました。

都道府県庁所在都市の最高路線価では、1位は東京・中央区銀座5丁目「銀座中央通り」で、1㎡あたりの路線価は25.6%下落の2,320万円となったものの、25年連続の路線価日本一となりました。以下、大阪・北区角田町「御堂筋」724万円(19.9%下落)、横浜市西区南幸1丁目「横浜駅西口バスターミナル前通り」604万円(7.4%下落)、名古屋市中村区名駅1丁目の「名駅通り」581万円(20.2%下落)と続きます。