・国土交通省は3月18日、今年1月1日時点(標準地:全国2万7,804地点)の地価公示を公表しました。
・今回公表された地価動向は、全国平均で住宅地が△4.2%、商業地が△6.1%と、ともに2年連続で下落となりました。
・地点ごとでみると、上昇は7地点のみで、横ばいが101地点、下落は2万7,302地点となり、全体の99.6%が下落しています。
・なお、最も地価の高かった地点は、住宅地では東京都の「千代田区五番町12番6」で283万円/㎡。同地点は、昨年に比べて△13.5%と下落したものの、14年連続で1位となりました。いっぽう商業地では、東京都の「中央区銀座4丁目2番4」(山野楽器銀座本店)が2,840万円/㎡で、こちらも△25.7%と前年に比べて大きく下落しましたが4年連続でトップになっています。
参考サイト; 平成22年地価公示
・2月24日、税制に詳しい学者らによる政府税制調査会専門家委員会(以下:専門委)の初会合が開かれ、中長期的な税制の抜本改革に向けた議論がスタートしました。
・この専門委では、所得税の役割を見直すほか、社会保障を支える消費税のあり方を大きなテーマとして、鳩山首相が掲げる「人間のための経済」の具体化に向けた議論がされるとみられています。しかし、鳩山政権が政治主導を掲げるなかで、専門委が中期的な税制の具体像を示す重要な役割を果たせるのか疑問視する声もあがっています。
・専門委の委員長は、所得税について「(高所得層から低所得層に移す)所得再分配機能だけでなく、税収の調達機能もかなり減っている」と述べており、最高税率の引き上げや控除のあり方なども議論される見通しです。
・また、菅財務相は、今月から消費税を含めた税制改革論議に取り組む方針を示していますが、逆に連立与党は「4年間は消費税率を引き上げない」などと歩調がそろわず、当面は所得税から取り組むことになったようです。
・今後の動きに注目です。
・子ども手当法案が衆議院を通過し、年度内に成立する見通しとなりました。
・民主党がマニュフェストで掲げたように、これは子どもの養育を社会全体で支援するための重点施策。そして、その財源確保のために扶養控除が廃止されようとしています(23歳から69歳までの成年扶養控除は廃止が見送られる予定ですが、今後は扶養控除や配偶者控除の見直しの可能性があります)。
・しかし、この扶養控除が廃止されることの影響は、けっして小さくありません。給与収入金額が変わらない場合でも、所得税率が10%の家庭では、扶養控除が使えなくなる子ども1人につき、1ヶ月約3,000円の増税となります。
・また、住民税の扶養控除は2012年6月から廃止になる予定で、これを含めると、所得税、住民税ともに税率が10%の家庭では、1ヶ月約6,000円の増税になってしまいます。
・2011年度には、子ども手当の支給額が月26,000円にアップされても、増税幅もあわせて増えることになるのです。
・現行の所得控除制度では、低所得者よりも高所得者のほうが税金の軽減額が大きくなります。所得再分配機能の回復等の観点から、政府は給与所得控除や税率構造など抜本的な所得税制度改革にも取り組む方針です。
・また、子ども手当の導入によって、税金と連動して増えてしまう出費もあります。
・たとえば、所得税が上がると、保育園児のいる家庭では保育料が上がることが予想されます。
・さらに、住民税に連動して、東京都や愛知県などで国民健康保険に加入している家庭では、国民健康保険料が上がる可能性もあります。
・子ども手当が導入されることで、家計の出費内容が変化してしまうので、いちがいに手放しで喜べるわけでもありません。