・3月23日に国土交通省が発表した平成21年地価公示において、全国全用途の平均地価が3年ぶりに下落しました。
・地価公示とは、地価公示法に基づいて、国土交通省が毎年3月に発表するその年の1月1日の土地の価格です。不動産鑑定士など専門家の鑑定評価に基づいて国土交通省の土地鑑定委員会が決定し、ほぼ「通常取引きされる土地の価格」と言われています。
・平成21年地価公示では、全国の住宅地が前年比で3.2%減、商業地が4.7%減とともに下落し、全国全用途平均の地価が3年ぶりに前年を3.5%下回りました。
・特に、ここ数年の地価上昇を牽引してきた三大都市圏や地方ブロック中心都市において、地価の下落ぶりが目立つようです。前年、三大都市圏では住宅地が4.3%増、商業地が10.4%増と大幅に地価が上昇しましたが、今年は住宅地が前年比3.5%減と3年ぶりの下落、商業地も前年比5.4%減と4年ぶりの下落になりました。
また、同じく地価が上昇傾向にあった札幌市、福岡市、仙台市などの地方ブロックの中心都市の地価も、札幌市が4年ぶり、仙台市が2年ぶり、福岡市が3年ぶりにいずれも平均で下落となっています。
・国土交通省によると「景気の悪化、新規分譲マンションの販売不振、投資・融資等の資金調達環境の悪化等を背景として土地に対する需要が減退していることや、オフィスビル等における空室率の上昇、賃料の下落等により収益力についても一部で低下する傾向が見られたこと等」がこの背景とされています。
・また、地方圏においても地価下落幅が久しぶりに拡大しています。新潟市中央区や北海道伊達市、倶知安町の住宅地、兵庫県姫路市や広島市安芸区の商業地などごく一部で上昇地点が見られるものの、今回の地価公示はほぼ全国的な下落傾向を示しているようです。
参考URL 平成21年地価公示
・平成21年度は3年に1度の固定資産税評価替えが行われますが、4月から全国の市町村で土地・家屋の縦覧が開始されます。
・土地・家屋にかかる固定資産税の評価は総務大臣が定める固定資産評価基準に基づいて行われ、市町村長が価格等を決定します。価格等は市町村備え付けの固定資産課税台帳に登録されますが、その内容が他の土地・家屋と比較して適正であるかどうかを納税者自らが確認できるようにするしくみが縦覧制度です。
・縦覧をする際、納税者本人の場合は本人確認ができるもの、委任を受けている場合は代理人であることを確認できるものを持参して下さい。縦覧期間は自治体によって異なります。たとえば、東京都では4月1日から6月30日までですが、一般市では4月30日までとなっているところがあります。
・なお、登録された固定資産の価格に不服があるときは、市町村に設置されている固定資産評価審査委員会に対して審査申出をすることができます。
・所得税の確定申告が終わりましたが、人間は過ちを犯すもの。税額の計算を間違えたり、申告書の提出が間に合わなかったという場合があります。このような事に気づいた際には、できるだけ早めの対処が必要です。
◆税額の計算を間違えて申告してしまった時
・税額を多く申告してしまった場合と少なく申告してしまった場合で対応が異なります。税額を多く申告してしまった場合は1年以内に「更正の請求書」を税務署に提出すれば、税務署の審査後に払いすぎた税金が戻ってきます。
・一方、税額を少なく申告してしまった場合は「修正申告書」を税務署に提出します。
同時に不足分の税額、および納期限(平成21年は3月16日)の翌日から納付日までの日数分の延滞税を併せて支払うことになります。延滞税は納期限の翌日から2ヶ月間は年4.5%(平成21年分)、それ以降は年14.6%になります。
・なお、税務署の調査を受けた後で修正申告をしたり、税務署から申告税額の更正を受けたりすると過少申告加算税がかかってしまいます。過少申告加算税は不足税額の10%相当額です。ただし、不足税額が当初申告税額または50万円よりも多い部分については15%になります。
◆申告書の提出が間に合わなかった時
・一刻も早い申告(期限後申告)が必要です。期限後申告の場合は無申告加算税がかかります。
・税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をしていれば無申告加算税が5%に軽減されますが、税務署の調査後だと無申告加算税は15%(50万円超の部分は20%)にもなってしまいます。さらに、税額を少なく申告してしまった場合と同様、納期限の翌日から納付日までの日数分の延滞税もかかります。
・国税庁が「居住用家屋の共有持分を追加取得した場合の住宅借入金等特別控除の取扱いについて」というお知らせを実施しています。これは2月20日付けの国税不服審判所採決を受け、住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)の取り扱いを一部変更するものです。
・住宅を購入するとき、その資金を夫婦や親子で出し合う場合があります。そのような場合、出資金額の比率をそれぞれの共有持分として、購入した住宅を出資者の共有名義にすることが原則になります。住宅が共有名義の場合でも、それぞれの名義で別々に住宅ローンを組んだり、連帯債務により住宅ローンを組んだ場合には、出資者それぞれが住宅ローン減税を受けることが可能です。
・このようなケースにおいて、たとえば離婚による財産分与によってパートナーの共有持分を追加取得した場合、住宅ローン減税は追加取得した共有持分、もしくは従来から保有していた共有持分のどちらかしか受けることができないというのが今までの取り扱いでした。それは、住宅ローン減税は住宅を2つ以上所有している場合、主として居住している住宅1つにしか適用できないとされているためです。
・ところが、今回、国税不服審判所において「共有持分の追加取得は住宅を2つ以上所有している場合には該当しない」という裁決があったことから、この取り扱いが改められ、追加取得した共有持分と従来から保有していた共有持分の両方について、住宅ローン減税を受けることができるようになりました。
・この取り扱いは、既に確定申告書を提出している年分についても、税務署に更正の請求をすることにより所得税額の減額が受けられます。ただし、更正の請求をすることができるのは、取扱いの変更を知った日の翌日から2ヶ月以内とされています。
・国税庁では、この取り扱いの変更について、お知らせチラシを税務署窓口で配付するなどして周知に努めています。
参考URL 国税庁
・平成21年度税制改正では、中小企業に限り約17年ぶりに欠損金の繰り戻し還付制度が復活しています。欠損金の繰り戻し還付制度とは、前年度は黒字で法人税を納税した企業が今年度は赤字になった場合、前年度に納税した法人税を還付してくれる制度です。現在は中小企業の設立後5年以内や解散等の事実が生じた場合にのみ適用が認められています。
・今回、国会に提出された法案によると、同制度は「平成21年2月1日以後に終了する事業年度」から適用されることになっています。つまり、今年の4月に法人税の申告を行う中小法人はこの制度を使うことができるわけです。同制度の対象となる可能性がある場合は、同制度を使うか使わないか考えておいた方が良いかもしれません。
・細かい手続き等は政省令が出てみないと分かりませんが、現在の「欠損金の繰戻しによる還付の請求」手続きと同様であれば、法人税の申告期限までに「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を納税地の所轄税務署長に提出することになります。
・そうなると心配なのはこの改正がいつ成立するかです。昨年のように4月末に成立などということになれば、2月決算、3月決算の法人は申告手続きが大変になるかもしれません。
・総務省が、市町村民税の滞納者に支給する定額給付金について、「給付主体である市町村が差押さえることは、その趣旨(家計への緊急支援)に合致しない」などとする「定額給付金事業Q&A(その2)」を地方自治体に配付しています。定額給付金は税金の滞納者へも給付されるため、それを差押さえられるのどうか、扱いが注目されていました。
・それというのも、これについて国税庁は「差押禁止財産にも該当せず、禁止する規定もない。理論上では差押えられる」としていたからです。今回の総務省のQ&Aはこれに待ったをかけたことになります。
・総務省では「Q&Aに強制力はない。最終的には自治体の判断になるが、この社会情勢で給付金を差押えれば、自治体に対する住民の感情は悪くなる」としているようですが、徴収率を上げようと躍起になっていた地方自治体がトーンダウンするのは必至です。ただ、滞納者の財産を総合的に勘案したうえで行う滞納整理であれば「結果的に給付金が振り込まれた後の預金口座が差押さえられるということはあり得る」という声も一部であるようです。
・これに対して国税当局は「定額給付金を狙い撃ちするのではなく、従来通りの滞納整理のなかで取り扱う。個々の納税者の事情を把握して滞納整理を進めていく」と、淡々とした姿勢を示しています。
・「いつでも、誰でも参加できる」という手軽さから、すっかり世間に定着した感のあるインターネットオークション。自分にとっては不必要なものでも、思わぬ高額で落札されることも珍しくなく、経営者らの間でも、レアな商品を出品するケースも見受けられます。
・しかし、こうして手に入れたお金も、雑所得として課税対象となることを忘れてはいけません。
給与所得者であれば、ネットオークションなどの副収入で得た所得が20万円以上ならば確定申告が必要です。ただし、生活のために使用する家具や什器、衣服などの売上については課税対象外。1個または1組の価額が30万円を超える貴金属類や美術、骨董品などは課税対象となります。
・インターネット取引は、取引情報の改ざんや破棄が当事者間で操作できるため、ネットオークションなどを通じて得た収入を税務署に申告しないケースが増えています。そのため当局では、インターネット取引の監視を強化しており、平成19年度には3122件ものインターネット取引に対して税務調査が入りました。調査では、プロバイダーを通じて入手したインターネットの検索履歴や取引情報の記録、取引当事者に関する情報まで徹底的に調べ上げるといいます。現在、確定申告期間の真っ只中。ネットオークションによる所得の申告忘れに注意が必要です。
・平成20年分の確定申告の法定申告期限は平成21年3月16日です。期限は必ず守るようにしましょう。ただし、遅れてしまった場合でも、「期限後申告」はできますが、申告の結果が納税の場合は、本税と無申告加算税のほかに延滞税が課されてしまいますのでご注意ください。
(1)延滞税とは
延滞税とは国税の一部又は全部を法定納期限までに完納しなかった場合に課される附帯税を言い、例えば下記のような場合に課されてしまいます。
①期限内申告したが、法定納期限までに税金を完納しなかった場合。
②期限後申告書又は修正申告書を提出した場合で納付税額が生じた場合。
(2)二つの納期限
納税の期限は、①期限内申告の場合と②期限後申告の場合とで異なります。
①期限内申告の場合は法定納期限【法定納期限とは国税に関する法律の規定により国税を納付すべき期限をいい、原則として法定申告期限(平成20年分所得税は平成21年3月16日)と同一の日となります。】
② 期限後申告又は修正申告の場合は申告書を提出した日が納期限。
(3)延滞税の利率
延滞税は原則として、未納税額に対し法定納期限の翌日から納期限後2ヶ月までの期間は「年7.3%」又は「前年の11月30日の公定歩合+4%」のいずれか低い割合が適用され、その後の期間は14.6%の割合が適用されます。
(4)延滞税は1年が限度
しかし、税務調査の早い遅いによって、期限後申告や修正申告の提出時期が異なるということによって、延滞税の額にあまりに多額の差がでることは、公平の観点から問題なしとしない、という理由で期限後申告や修正申告の場合の延滞税の計算期間は、たとえ5年後の申告であったとしても1年を限度とすることになっています。
なお、偽り不正の脱税類似の行為による修正申告書や更正処分に限っては、1年を限度とする特例の適用はありません。