・平成19年分の所得税では、以下の2つの控除制度が創設されています。
■地震保険料控除
・火災保険とセットでのみ加入できる「地震保険」の保険料について、5万円を限度に所得控除を受けることができます。
■電子証明書等特別控除
・納税者が自分の電子証明書を付けて所得税の確定申告を電子申告で行った場合、5千円の税額控除を受けることができます。これは自分で申告する場合も、税理士に依頼して申告する場合も同じです。
両方とも新しい制度だけに、ミスをしないように注意しましょう。
■地震保険料控除の注意点
・従来の損害保険料控除では火災保険や損害保険の保険料も控除することができましたが、平成19年分以降は地震保険の加入分だけしか控除できません。
・ただし、以下のすべてに該当する長期損害保険(旧長期損害保険)については経過措置があります。 ・平成18年12月31日までに締結した保険契約 ・満期返戻金等のあるもので保険期間が10年以上 ・平成19年1月1日以後に契約等の変更をしていない
・具体的には、支払った旧長期損害保険の保険料の金額に応じて、以下の金額を所得から控除することができます。 ・1万円以下:支払金額 ・1万円超2万円以下:支払金額÷2+5千円 ・2万円超:1万5千円
・なお、地震保険と旧長期損害保険の両方に加入している場合は少し面倒です。
・いちおう、地震保険料と旧長期損害保険の控除額の合計額について、5万円を限度に控除できることになっていますが、その地震保険料と旧長期損害保険が同一の保険だった場合は、どちらか一方を選択して控除することになります。
・申告書の第二表「所得から差し引かれる金額に関する事項」では、両方の保険料を記載できるようになるはずですから、間違えて記入して計算ミスをしないように注意してください。
■電子証明書等特別控除の注意点
・電子申告を税理士に依頼する場合は納税者自身の電子証明書は不要ですが、この場合はこの控除を受けることができません。
・また、紙の申告書にも電子証明書等特別控除欄があります。誤って記入しないように注意して下さい。
・なお、給与所得者(年末調整対象者)でもこの控除を受けることができます。その場合は基本的に5千円が還付されることになります。
・この控除は平成19年分または平成20年分の所得税について、いずれか1回しか適用を受けることができません。
・国税庁がe-Taxホームページにおいて、平成19年分の所得税確定申告期間限定で、e-Taxの受付時間(送信可能時間)およびヘルプデスクの受付時間を拡大することを案内しています。
・通常 e-Taxの受付時間(送信可能時間)は月曜日~金曜日(祝日等を除く)の午前9時~午後9時までですが、1月28日(月)~3月17日(月)の期間のみ土日祭日を含めて24時間に拡大するということです。 ※1月28日(月)の受付開始時間は午前9時です。
・この取り扱いは昨年(平成18年分)から始まったものですが、今年は昨年(2月16日から3月15日の申告期間のみ24時間受付)よりも早く24時間受付が開始されます。これは、還付申告が1月1日から始まることから、e-Taxによる還付申告を促進することが狙いでしょう。
・また24時間受付の終了日が昨年よりも2日伸びているのは、今年の3月15日が土曜日で、確定申告期限が3月17日の月曜日になっているからです。
・ちなみに、昨年はこの24時間受付の効果もあって、e-Taxによる所得税の確定申告件数が49万件(一昨年は3万5千件)と大幅に増えています。
・一方、ヘルプデスクの受付時間は月曜日~金曜日(祝日等を除く)の9時から20時まで(通常は9時から17時)で、2月24日及び3月2日の日曜日は9時から17時まで受け付けるとのことです。
・平成13年11月の証券税制改正で、当時低迷していた証券市場を下支えするために緊急的な措置として「上場株式等に係る譲渡所得等の非課税特例」が創設されました。
・この制度は、平成13年11月30日から平成14年12月31日までに購入した上場株式等を平成17年から平成19年までの3年間に譲渡した場合、購入価額1,000万円までの譲渡について、一定の要件の下で譲渡益を非課税とするもの(措置法37の14)です。
・この制度の適用を受けるためには本年中に譲渡する必要がありますが、対象となる上場株式等を源泉徴収ありの特定口座で譲渡した場合には特例の対象外となるため、制度の適用を受けるためには、対象株式等をいったん特定口座から一般口座に移してから売却する必要があります。
・対象株式等を売却する予定がある方は、確認しておきたいところです。