このところ毎日、9月決算法人の決算書や申告書を作っています。

だいたい毎年、同じ時期に同じ作業をするのですが、
記憶を呼び起こしつつ、
過去3年分くらいの業績を対比して、
大きな増減がないかどうかを精査していきます。

そもそもわれわれ税理士は、
基礎資料などを確認して、そこから決算書や申告書を作成していきます。

たまに金融機関が他の人が作った決算書や申告書を持ち込んできて、
どういう問題点があるかチェックしてほしいと頼まれることがありますが、これはなかなか厄介です。

事実から数字を作るのには慣れていても、
数字から事実を読み取る訓練をしていないからですね。

銀行は融資先が粉飾決算をしていないかどうかチェックします。
言うまでもなく、粉飾というのは利益が出ていないのに出ているかのようにごまかすことです。
粉飾によって利益を捏造して配当でもされたら貸付債権が焦げ付くので、
決算書の精査は金融機関の大切な仕事です。

逆に税務署は、利益が出ているのに出ていないように見せかけていないかをチェックします。
売上げの過少計上や経費の水増しなどによる脱税に目を光らせているわけです。

このように、われわれが作った申告書を正反対の視点で見ている人がいるというのは、なかなか興味深いことだといつも思っています。