お中元の季節ですね。

そこでちょっと、お中元と税金の話題です。

お中元は「交際費」として処理するのが原則です。

平成21年度の追加経済対策で、年間400万円だった中小企業の交際費の損金算入限度額が年間600万円まで引上げられました。

平素からお世話になっている方や企業への感謝の気持ちを込めて、実のあるお中元の贈答を行いたいものです。

なお、平成18年度の税制改正で5千円以下の飲食を伴う交際費は損金算入できることになっていますが、お中元はひとつ5千円以下でもこれには当てはまりません。

なぜなら「5千円基準」とは「飲食その他これに類する行為のために要する費用」と定義されていて、「単なる飲食物の詰め合わせを贈答する行為は、飲食その他これに類する行為には含まれない」からです。

税法の解釈は難しいものです。


また、お中元を交際費としてではなく「広告宣伝費」として損金処理する方法もあります。

「カレンダー、手帳、扇子、その他これらに類する物品を贈答するために通常要する費用」は交際費から除外されていることを利用して、広告宣伝的な効果を狙って、社名入りのカレンダーやボールペンなどを取引先に贈るというやり方です。これは「多数の者に配布することを目的としており、少額であれば広告宣伝費として差し支えない」(税務当局)とされています。

なお、贈答用として購入した中元品を社内で使ったり、一部の取引先へ大量に贈答しているケースもあるため、税務調査の際には配布先がチェックされます。配布先と配布した商品の内容は、リストにして残しておきましょう。

また、最近は各地の名産品を「自分用」に購入する人も増えていて、「自分用お中元」の消費をPRするデパートもあるようです。このような中元品等を「自社用」として購入し全社員へ配布した場合、社会通念上の福利厚生活動を超えない程度ならば、「福利厚生費として処理するのが適当」(同)とされています。